看護業界自体は、募集定員や養成人数枠の増加傾向であるにも関わらず、現場は慢性的に人手不足の状態が続いています。その理由は、ずばり離職率の高さでしょう。全国的な少子高齢社会である日本では、看護師不足が大きな課題となっています。
看護師不足が顕著になれば、各看護師への身心への負担が増し、ますます離職率を高めるという悪循環が起こるでしょう。看護業界では、新規参入者から現職の職員が、個々の立場でいかにいきいきと働き続けることができるかが課題です。
刻々と変わる業界の動向と共に職場教育を行うことは大切なことですが、働き始めてから人材教育や対策を講じたとしても、若年層においては十分な対策が浸透する前に離職してしまう可能性が十分にあります。職場の整備を現場の先輩の職員に任せることにも一定の限界があるでしょう。
では、看護業界はどうすればよいのでしょうか。職場に参入してからでなく、就労前教育が重要であることが示唆されます。看護業界で働くにはチームの中で働く力が必須でしょう。チームの中で働く力は対人相互の理解力、コミュニケーション力、成員相互の仕事のスキル力、状況を判断する力など、様々な基幹要素が想定されます。
個々の構成要素を高めることがチームの中で働く力を高めることに繋がります。チームの中で働く力を育められれば、職場環境は円滑なものになり、働きやすい環境を招き、ひいては個々人のメンタルヘルスの軽減にも自然とつながり、離職ということから脱却できるのではないでしょうか。
チームの中で働く力を育むことが、就労前就労後と継続して行われ続けることが、これからの看護業界の課題でしょう。